株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、旧UBIC)は、金融庁が2017年9月に設置した「FinTech実証実験ハブ」において、初の人工知能を用いた支援案件に採択されたことを発表しました。本件は、金融庁が推進する“国民の安定的な資産形成と顧客本位の業務運営”(フィデューシャリー・デューティー)や、金融業界における人材の課題や働き方改革の促進に対して、FRONTEOが独自で開発した人工知能KIBITがどれだけ貢献できるかを、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社りそな銀行、株式会社横浜銀行、SMBC日興証券株式会社を参加金融機関として協力をいただき、2018年5月から6月末まで実験を行う予定です。
現在、金融機関では、営業員が日々大量の「金融商品販売時の応接記録」を書き、また電話でお客さまから沢山の様々な意見、お申し出などが寄せられ、それぞれ記録されています。金融機関はお客さまの満足度やサービス向上のために、これらの膨大な記録を時間と人手をかけて確認していますが、人的リソースの不足や業務負荷、人によって判断にバラつきが出る等の課題が生じています。本実証実験では、これらの記録の確認を人のみで行った場合と、KIBITがスコアリング(点数付け)し、優先順位を付けた場合での、生産性や作業の標準化率、検出精度などを定量的に比較測定していきます。実証実験の概要は以下のとおりです。 テーマ: 現行の「人のみによる確認方法」と「KIBITを活用した確認方法」との業務生産性の比較試験 対象業務: 【銀行】投資信託などの金融商品販売時の営業応接記録のチェック業務 【証券】通話録音記録からのお客さまのご意見・お申し出のチェック業務
概要図
本件は、都市銀行や地方銀行、証券会社など600以上の金融機関が抱える共通の課題に対応するものであり、実証実験を通じて得られた結果を活かすことで、業務の負荷軽減や高度なチェック業務の実現、働き方改革の実現など、社会的課題の解決につながる取組みとなります。 <FinTech実証実験ハブについて> 金融庁では、フィンテックを活用したイノベーションに向けたチャレンジを加速させる観点から、2017年9月21日、フィンテック企業や金融機関等が、前例のない実証実験を行おうとする際に抱きがちな躊躇・懸念を払拭するため、「FinTech実証実験ハブ」を設置しました。実証実験は、①実験内容と論点が明らかであること(明確性)、②サービスの実現によって我が国における利用者利便や企業の生産性の向上が見込まれること(社会的意義)、③実現しようとするサービスに革新性が認められること(革新性)等が実施の要件となります。 金融庁では、実験を通じて整理されたコンプライアンスや監督対応上の論点、一般利用者に向けてサービスを提供する際に生じ得る法令解釈に係る実務上の論点について、継続的な支援を行うこととしています。 ■KIBITについて 「KIBIT」は人工知能関連技術のLandscapingと行動情報科学を組み合わせ、FRONTEOが独自開発した日本発の人工知能エンジンです。人間の心の「機微」(KIBI)と情報量の単位である「ビット」(BIT)を組み合わせ、「人間の機微を学習できる人工知能」を意味しています。テキストから文章の意味を読み取り、人の暗黙知や感覚を学ぶことで、人に代わって、判断や情報の選び方を再現することができます。 【FRONTEOについて】URL: http://www.fronteo.com/ 株式会社FRONTEOは、独自開発の人工知能エンジン「KIBIT」により、ビッグデータなどの情報解析を支援するデータ解析企業です。国際訴訟などに必要な電子データの証拠保全と調査・分析を行うeディスカバリ(電子証拠開示)や、デジタルフォレンジック調査を支援する企業として2003年8月に設立。自社開発のデータ解析プラットフォーム「Lit i View(リット・アイ・ビュー)」、日・中・韓・英の複数言語に対応した「Predictive Coding(プレディクティブ・コーディング)」技術などを駆使し、企業に訴訟対策支援を提供しています。このリーガル事業で培われ、発展した「KIBIT」を始めとする独自の人工知能関連技術は、専門家の経験や勘などの「暗黙知」を学び、人の思考の解析から、未来の行動の予測を実現します。ヘルスケアやビジネスインテリジェンス、デジタルマーケティングなどの領域に展開し、FinTechやRegTechに加え、「働き方改革」でも実績をあげています。2007年6月26日東証マザーズ、2013年5月16日NASDAQ上場。資本金2,481,621千円(2017年3月31日現在)。2016年7月1日付けで株式会社UBICより現在の社名に変更しております。