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リムパーザ、卵巣がん1次療法後の維持療法の第Ⅲ相SOLO-1試験において病勢進行を有意に遅延


BRCA遺伝子変異陽性進行卵巣がん患者さんにおいて主要評価項目である無増悪生存期間の延長を達成するとともに、過去の試験の結果と一貫した安全性プロファイルを示す アストラゼネカとMSDのリムパーザは、1次治療後の維持療法において有効性を示した唯一のPARP阻害剤 本資料はアストラゼネカ英国本社が2018年6月27日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。 アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)およびメルク・アンド・カンパニー(本社:米国ニュージャージー州ケニルワース、以下「メルク(北米以外ではMSD)」)は、2018年6月27日、リムパーザ錠 (一般名:オラパリブ)の無作為化二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相SOLO-1試験の良好な結果を発表しました。 プラチナ製剤を含む化学療法による1次治療後の維持療法としてリムパーザの投与を受けたBRCA遺伝子変異陽性(BRCAm)進行卵巣がん患者さんは、プラセボとの比較で、統計学的に有意かつ臨床的に有意義な無増悪生存期間(PFS)の延長を示しました。リムパーザの安全性および忍容性プロファイルは過去の試験の結果と一貫していました。これらのデータに基づき、アストラゼネカとMSDは薬事承認申請に関して、各国の規制当局と協議を開始する予定です。 アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは次のように述べています。「今回、BRCAm卵巣がんの1次治療後の維持療法としてPARP阻害剤が投与された患者さんにおいて、初めて有意かつ臨床的にインパクトのあるPFSの延長が見られました。SOLO-1試験のデータは、BRCAm卵巣がん患者さんがリムパーザによる治療を早期に受けることを可能にするため、診断時にBRCA遺伝子変異の有無を把握することの重要性を強調する結果を示しています。当社は、治験医の先生方、医療機関の皆様、そして誰よりも医療の進展のために不可欠であった本試験に参加してくださった患者さん達に謝意を表したいと思います」。 MSDリサーチラボラトリーズのシニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発の責任者兼チーフメディカルオフィサーである Roy Baynes は次のように述べています。「SOLO-1試験のデータは、これまでに得られている優れたデータを更に拡充し、確立された安全性および忍容性プロファイルとともに有意義な病勢コントロールを提供するリムパーザの有効性を強化するものでした。当社は今後の学会においてSOLO-1試験データの全容を発表することを楽しみにしており、1次治療を受けた卵巣がん患者さんの維持療法として一日も早くリムパーザを提供するため、各国の規制当局と協働していきます」。 さらに、現在実施中のGINECO/ENGOTov25第Ⅲ相試験であるPAOLA-1試験では、BRCA遺伝子変異の有無を問わず、新たに進行卵巣がんと診断された患者さんの1次治療後の維持療法としてリムパーザとベバシズマブの併用療法を検討しています。本試験の結果は2019年に得られると予想されています。 ※BRCAm進行卵巣がんの1次維持療法におけるリムパーザは本邦未承認です。 以上 *** SOLO-1試験について SOLO-1試験はBRCAm進行卵巣がん患者さんを対象としたリムパーザ単剤療法の1次治療後の維持療法としての有効性および安全性をプラセボと比較評価することを目的とした無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同第Ⅲ相試験です。本試験はプラチナ製剤ベースの化学療法による前治療を受け、完全奏効または部分奏効を示した病的変異あるいは病的変異疑いに分類される BRCA 1または BRCA 2 遺伝子変異が確認されている 391 例の患者さんを無作為に割り付けました。本試験に適格と判断された患者さんはリムパーザ錠 300 mg1 日 2 回投与群あるいはプラセボ錠 1 日 2 回投与群に無作為に割り付けられました (2:1)。本試験の主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)であり、主な副次的評価項目は2次進行もしくは死亡までの期間および全生存期間(OS)を含みます。 卵巣がんについて 卵巣がんは全世界で、7番目に多いがんであり、女性のがんによる死因の8番目です。全世界における卵巣がんの5年生存率は30-40%です。2012年には、約23万9,000人が新たに診断され、約15万2,700人が死亡しました。新たに進行卵巣がんと診断された患者さんにとって治療の最大の目的は、完全緩解または根治の達成を目指し、病勢の進行を出来る限り遅らせ生活の質を維持することです。 BRCA遺伝子変異について BRCA1およびBRCA2は損傷したDNAの修復を担うタンパクを生成するヒト遺伝子であり、細胞内遺伝子の安定性維持に重要な役割を果たします。これら遺伝子のいずれかが変異あるいは変化すると、BRCAタンパクが生成されないまたは正常に機能せず、DNA損傷が適切に修復されず細胞が不安定になる可能性があります。その結果、細胞はがん化につながるさらなる遺伝子変化を起こす可能性が高くなります。 リムパーザについて リムパーザ (オラパリブ) は、ファーストインクラスのポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤であり、DNA損傷応答(DDR)経路に異常をきたしたがん細胞に特異的に作用し、細胞死を誘導する最初の標的治療薬です。特に、複数のin vitro試験によりリムパーザによる細胞毒性はPARP酵素活性の阻害およびPARP-DNA複合体の生成を増加させる可能性があり、その結果DNA損傷およびがん細胞死が生じることが示されています。リムパーザはDDR経路に異常をきたした一連のがん種において開発が進行中です。 リムパーザは、アストラゼネカとMSDにより共同で開発および商業化されており、進行卵巣がんおよび転移性乳がんの治療薬として承認され、現在までに全世界で2万人を超える患者さんに使用されてきました。リムパーザはPARP阻害剤としては最も広範囲かつ最先端の臨床試験開発プログラムを有しており、アストラゼネカとMSDは本剤を複数のがん種のより多くの患者さんに出来るだけ早くお届けするため協働しています。リムパーザはアストラゼネカの業界を主導するがん細胞のDNA損傷応答(DDR)メカニズムを標的とする新薬候補のポートフォリオの基盤となる化合物です。 アストラゼネカとMSDのがん領域における戦略的提携について 2017年7月、アストラゼネカと北米以外ではMSDとして知られる米国ニュージャージー州ケニルワースに本社を置くメルク・アンド・カンパニーは、アストラゼネカの世界初のPARP阻害剤であるリムパーザおよび現在開発中であるMEK阻害剤セルメチニブの複数のがん種における共同開発・商業化に関するがん領域における世界的な戦略的提携を発表しました。共同で、両社はリムパーザおよびセルメチニブを他の可能性のある新薬との併用療法および単剤療法として開発します。また、単独で、各社は各々のPD-L1およびPD-1医薬品との併用療法としてリムパーザおよびセルメチニブを開発します。 アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの主な成長の原動力として進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。 アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷応答および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。 アストラゼネカについて アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、自己免疫、ニューロサイエンスおよび感染症の領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。


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