株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、2018年度の介護ロボット市場を調査し、タイプ別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
1.市場概況
2017年度の国内介護ロボット市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年度比85.3%の14億3,400万円と縮小した。2016年度までで国のプロジェクトが一旦終了し、一部タイプの介護ロボットは市場規模が減少した。他のタイプでは需要が伸張したものの、全体では縮小することとなった。2018年度の同市場規模は全てのタイプで拡大に転じると見込まれ、前年度比134.7%の19億3,200万円まで回復する見込みである。 現時点は、国が主導する開発、実証試験、導入促進事業を経た開発企業が、自社で介護ロボットの普及を図る段階である。それらの企業では第二世代の開発製品が出つつあり、一方で介護ロボットの導入が本格化してきたことで、今後新たな企業による新規参入が期待できる。
2.注目トピック
介護ロボットの強みと弱み、今後どう進化させていくかが肝心となる
介護ロボットの多くには競合する既存製品が存在している。既存製品に比べて、総じて使用者の負担を軽減できることを強みとしているが、介護ロボットはその分高価格となる欠点(弱み)を持っている。 介護ロボットの歴史が浅いが故に、製品数が少ないタイプもあり、そのコストメリットをどう判断するかは、まだユーザ側の事情によってかなり異なる。現在は、介護ロボットとして、第二世代の第一陣の開発製品が出揃いつつある段階で、その強みと弱みは共存している。これをスタート段階として、今後どう進化させていくかが肝心となる。
3.将来展望
市場は着実な成長を続け、2021年度の国内介護ロボット市場規模(メーカー出荷金額ベース)は37億6,500万円になると予測する。介護ロボットは、それぞれのロボットタイプ別に普及のポイントがあり、それらを解決することで需要拡大が期待できる。 今、介護ロボットに最も望まれるものはヒット作と言われる製品の誕生である。介護現場において、欠かすことのできない製品として認識され、日常生活で頻繁に見聞きするほど普及する製品が誕生すれば、それが起爆剤になり、介護ロボットへの関心が高まり普及にも加速がつくと考える。
調査要綱
1.調査期間: 2018年4月~7月 2.調査対象: 国内の介護ロボットメーカーやその販売元、研究開発に取り組む企業、関連団体、関係省庁等 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面接取材、電話ヒアリング、ならびに文献調査併用
〈介護ロボットとは〉
本調査における介護ロボットとは、介護者もしくは被介護者の行動(動作)を支援するサービスロボットを指し、介護者もしくは被介護者が使用することで、身体的・精神的な負担軽減や効率化に資するものとする。尚、コミュニケーションを目的とするサービスロボットは含まない。他にも医療用やリハリビテーション用、自立支援用などのサービスロボットの製品化例もあり、介護用との区分けが難しい場合もあるが、本調査では介護現場での使用を提案・訴求している製品のみを対象とする。
<市場に含まれる商品・サービス>
移乗支援ロボット、移動(歩行)支援ロボット、排泄支援ロボット、入浴支援ロボット、見守り支援ロボット
出典資料について
資料名
介護ロボットの可能性と将来性 2018
発刊日
2018年7月27日
体裁
A4版 142頁
定価
150,000円(税別)
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株式会社矢野経済研究所ニュースリリースより