~ものづくりベンチャーとの連携によって、イノベーションを実現する~
独立行政法人中小企業基盤整備機構(略称:中小機構、所在地:東京都港区、理事長:高田坦史)は、「ものづくりベンチャーと中小製造業の連携に関する調査研究」の報告書を公表しました。 昨今、「中小製造業」の多くは、新興国企業の成長や大企業の海外移転、第4次産業革命の進行等、事業環境の急激な変化にさらされています。従来の大企業を中心とした産業構造が変化しつつあり、そのサプライチェーンに組み込まれていた中小製造業は、自社の事業のあり方自体を大きく変えていくことが必要となっています。 そのような中、ここ数年、存在感を増してきている新しいプレイヤーである「ものづくりベンチャー」との連携によるイノベーションが期待されています。 今回の調査では、全国8,000の中小製造業に対するアンケート調査に加え、実際に連携に取り組む21件の企業や支援機関にインタビューを行うことで、ものづくりベンチャーとの連携の実態を明らかにし、課題や成果を分析しています。 その結果、ものづくりベンチャーとの連携には、コミュニケーションの難しさや販売面の問題などによって、短期的な利益を生み出すことの難しさがあることが明らかになりました。一方、意欲的な中小製造業は、連携のメリットを幅広くとらえ、自らの事業の枠を広げるなど、イノベーションにつなげている実態も明らかになりました。 本報告書は、こうした実態に着目し、主に中小製造業の視点から、ものづくりベンチャーとの連携を通じて自らの経営革新につなげるための方法を提言しています。 ▼今回取り上げたものづくりベンチャー(一部) ・ユニロボット株式会社(東京都渋谷区)/パートナーロボット「unibo」の開発 ・株式会社スマートショッピング(東京都品川区)/「スマートマット」の開発 ▼今回取り上げた中小製造業・支援機関(一部) ・株式会社浜野製作所(東京都墨田区)/「Garage Sumida」の運営 ・株式会社カブク(東京都新宿区)/デジタル製造プラットフォームの運営 ・HILLTOP株式会社(京都府宇治市)/「HAKUTO」プロジェクトへの参加 ・Makers Boot Camp(京都市)/「京都試作ネット」と連携した量産化試作支援 *詳しくは、下記の中小機構webサイトにアクセスしてご覧ください。 http://www.smrj.go.jp/research_case/research/knowledge/index.html <中小機構について> 中小機構は、日本の中小企業政策の総合的な実施機関として中核的な役割を担う経済産業省所管の独立行政法人です。全国9ヶ所に展開する地域本部を通じ、中小企業の発展と地域振興の実現に向け、創業や新事業展開、販路開拓、海外展開、セーフティネットを含む経営基盤の強化をはじめとする中小企業の様々なニーズに対し、経営アドバイス、研修、共済制度、ファンドを通じた資金提供など多様な支援メニューを揃えています。