老後の時間、男性は「パートナー」と女性は「家族」や「友人」と過ごしたいという結果に 必要だと感じる葬儀費用は実際の費用と約70万円の大きな乖離が
「人生100年時代」という言葉をニュースなどで耳にすることが多くなり、長くなる老後の過ごし方に注目が集まっています。その中で、国家公務員の定年引き上げが話題になるなど、シニア世代においても多様な生き方が求められるようになり、それに合わせてワークライフバランスへの意識も高まっています。そこでチューリッヒ生命は、今回50~70代をシニアと定義し、シニア世代のワークライフバランスに関する調査を行いました。プライベートの時間の過ごし方や、老後の不安について調査したところ、シニアのワークライフバランスの実態が浮き彫りになりました。
【調査結果サマリー】 ・ポイント1 プライベートの時間は充実している一方、楽しいと感じる過ごし方に男女で大きな意識の差が。 仕事への思いを聞くと、1位「やりがいがある」37.5%、2位「自身の能力にあっている」36.5%、3位「楽しい」30.7%と前向きな回答が上位に。また、プライベートの時間については、1位「充実している」が39.0%と、2位の「もう少しプライベートな時間が欲しい」28.6%に10.4ポイント差をつける結果となり、シニア層はワークライフバランスが取れているようです。しかし、プライベートな時間の過ごし方では「配偶者/パートナー」と過ごす時間が楽しいという回答は男性が高かったのに対して、女性は「家族」や「友人」と過ごす時間が楽しいという結果に。女性のほうがより広い人脈でシニアライフを楽しんでおり、男女の意識差が浮き彫りとなるような結果になりました。 ・ポイント2 老後の生活で不安に感じていることは病気や家計、さらには「老後の生活全般が不安」も上位に。 老後の生活で不安に感じていることは、1位「自身の健康や病気」、2位「家族の健康や病気」、「収入・家計」が同率という結果になりました。食事内容や運動を意識し、長く健康に過ごすための行動が大切になってくるのではないでしょうか。 ・ポイント3 必要だと感じている葬儀費用は、実際の費用と大きく乖離がある結果に。 必要な葬儀費用を聞いてみたところ、平均は125.49万円という結果になりました。実際には約195万円※必要になるといわれており、想定と乖離がある結果となりました。 ※一般財団法人 日本消費者協会「2017年葬儀についてのアンケート調査報告書」 ・ポイント4 過去に戻れるとしたら・・・戻りたい年齢は? 過去に戻りたいと感じているのは男女ともに7割以上。戻りたい年齢は平均25.9歳という結果に。 【調査概要】 1. 調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施 2.調査の対象:アイリサーチ登録モニターのうち、全国の50歳~79歳を対象に実施 3.有効回答数:1000人(50代男女:各167人、60代男女:各167人、70代男女:各166人) 4.調査実施日:2018年9月13日(木)~2018年9月18日(火) Q1. あなたは現在、仕事とプライベートの両立ができていると感じますか?(単数回答)n=531
現在働いている方に対して、仕事とプライベートの両立ができていると感じているか、お聞きしました。「とても感じている」、「まあまあ感じている」を合わせると、全体で65.9%の方が両立できていると感じていることがわかりました。男女を比較しても、大差はなく6割以上の方が両立できていると感じていることがわかります。次の設問より、シニアの“ワーク”と“ライフ”についての考え方について、具体的にお聞きしています。 Q2. あなたは現在、仕事に対してどのように感じていますか?(複数回答)n=531
現在、仕事に対してどのように感じているかお聞きしました。1位「やりがいがある」37.5 %、2位「自身の能力にあっている」36.5%、3位「楽しい」30.7%という結果となり、前向きな回答が上位に並びました。男女で比較をすると、「人間関係を形成するのがつらい」以外の項目すべてで、女性に比べ男性のポイントが上回りました。シニアは仕事について前向きに捉えている方が多いことがわかりました。 Q3. あなたは、現在プライベートの時間に対してどのように感じていますか?(複数回答)n=531
プライベートの時間に対して、どのように感じているかお聞きしたところ、1位は「プライベートの時間は充実している」となり、比較的プライベートな時間があり充実している方が多いことがわかりました。男女で差がついたのは、「プライベートな時間はあるが家事などに追われている」となり、男性は11.6%ですが、女性は31.7%と20.1ポイント差がつきました。家事を女性がしている家庭が多いことが要因でしょうか。比較的時間に余裕のあるシニア世代の男性だからこそ、積極的に家事をして夫婦で協力できるとよいかもしれません。 Q4. あなたは、プライベートの時間をどのように過ごす時が楽しいですか?(複数回答)n=1000
プライベートの時間をどのように過ごす時が楽しいか、お聞きしました。男女ともに1位は「趣味をして過ごす」となりましたが、2位「配偶者/パートナーと過ごす」以降、男女で大きな意識差が見られました。男性は「配偶者/パートナーと過ごす」と回答した方が女性を上回りましたが、女性は「家族・友人・ペットと過ごす」と回答した方が男性より多い結果となりました。男性は老後をパートナーとゆっくり過ごしたいと考えているのに対し、女性は幅広い人間関係や時間をエンジョイしたいという気持ちが強いのかもしれません。 Q5. あなたが老後不安に感じていることをお答えください。(複数回答)n=1000
老後不安に感じていることをお聞きしました。1位「自身の健康や病気」73.2%、2位「家族の健康や病気」、「収入・家計」が同率で53.5%という結果となりました。「人生100年時代」といわれるようになり、長い老後に対しての不安も大きくなっているようです。前問で「プライベートの時間をどのように過ごす時が楽しいか」をお聞きし、趣味や配偶者等と過ごす時間という回答が多くありましたが、健康でないとそのような時間も十分には楽しめません。今からでも健康のためにできることを取り組んではいかがでしょうか。また、現在、幸福を感じているかお聞きし、「幸福を感じている」と回答した方と、「幸福を感じていない」と回答した方を比較すると、「収入・家計」に大きな差がつき、幸福を感じていない人の74.6%が老後の「収入・家計」に対して不安を感じていることがわかりました。「現在、幸福を感じている」と回答した方は「収入・家計」への不安を感じている方の割合が少なく、経済的な準備が大切であることがわかります。 Q6. あなたが、老後の不安について行っている対策をお答えください。(複数回答)n=1000
老後の不安について行っている対策をお聞きしたところ、年代によって差が開く結果となり、全体では、1位の「食事に気を付ける」、2位の「運動を行う」、3位の「趣味を持つ」は特に年代で差がつきました。いずれも50代の割合は低く、年代が上がるにつれて割合が増える傾向にあります。また、前問から9割以上の方が「老後に不安を感じている」ことがわかりましたが、4人に1人は老後の不安について「特に対策はしていない」と回答しました。特に50代の方は男女ともに「特に対策はしていない」と回答した方の割合が多く、運動や食事面で対策をしている人の割合も70代と比較して少なくなっています。早いうちから健康を意識した対策を行うことで、将来への不安を和らげることができるかもしれません。 Q7. 葬儀費用にどの程度必要だと思うかお答えください。(数値回答)n=1000
葬儀費用にどの程度必要だと思うかお聞きしたところ、平均で125.5万円という結果となりました。実際は195万円※程度かかることから、想定よりも低い認識の方が多いことがわかります。老後の“お金”について不安に感じている人も多い中で、葬儀費の認識が実際にかかる費用に比べて低いことから、計画的に葬儀費も含めた資産形成をすることが重要かもしれません。 ※一般財団法人 日本消費者協会「2017年葬儀についてのアンケート調査報告書」 Q8. 理想的な年の取り方をしていると思う有名人をお答えください。(複数回答)n=1000
理想的な年の取り方をしていると思う有名人をお聞きしました。男女ともに「所ジョージ」さん、「吉永小百合」さんが1位・2位にランクインしました。男女ともにTOP5にランクインした方々は、皆さん自分の趣味を楽しんでいたり、自分の生き方を貫いていたり、いきいきと輝いているイメージがあるのではないでしょうか。その中でも50代-70代の各世代の女性から幅広く支持を集めていたのが、女性の5位にランクインした先日亡くなった「樹木希林」さんです。樹木希林さんは個性派女優として活躍し、私生活や自由な言動も話題になる方でしたが、世代を問わず自立した生き方に憧れを持つ方が多いのかもしれません。 Q9. あなたは過去に戻りたいと思いますか?(単数回答)n=1000 「戻りたい」と回答した方は、何歳に戻りたいと思いますか?(数値回答)n=796
過去に戻りたいと思うかお聞きしたところ、男性は83.0%と8割以上が、女性は76.2%と7割以上の方が「はい」と回答し、過去に戻りたいと感じている方が多くいることがわかりました。「戻りたい」と回答した方に何歳に戻りたいと思うかお聞きしたところ、平均で25.9歳となりました。20代後半は仕事に慣れ、プライベートは結婚や子どもを授かる前の方も多く、自分のために自由に時間を使える方が多いのかもしれません。また、戻りたい理由として「勉強をやり直したい」という声も多く、「生涯学習」という言葉も一般的になってきた時代にあって、学ぶ意欲を強く持ち続けている方が増えているのかもしれません。 〈過去に戻りたい理由〉 ・【17歳】異なる分野の勉強をして、今までと違う職業についてみたい(71歳/男性) ・【22歳】大学卒業と同時に、将来の仕事をしっかりと見据えた勉強、資格取得などをしておくべきだったと思うから。(57歳/女性) ・【23歳】会社での仕事も順調、仕事仲間にも恵まれ彼女にも愛されていた。生涯一番の青春時代!(72歳/男性) ・【35歳】早朝から深夜まで現在では過労死になりそうな勢いで働いたが、今思うと収入面でも達成感でも、とても充実していたと思います。時間を残してやり切って、そのあと大きなスケールで遊んでいたとも思います。現在そんな元気ないです。(54歳/男性) ・【60歳】60歳で定年退職しその後夫婦で全国を旅したけれど、体調を崩し今は旅行もできないから。まだまだ行きたいところがあるから。(75歳/女性) 〈過去に戻りたくない理由〉 ・常に、その時々で一生懸命生きてきたので、特段振り返って過去に戻りたいという気持ちは全くない。(58歳/女性) ・過去のことを気にしていたら将来生きていけない。(61歳/男性) Q10. あなたは、現在終活を行っていますか?(単数回答)n=1000
現在終活を行っていると回答したのは全体のわずか16.8%の方で、8割以上の方は終活を行っていないことがわかりました。男女で比較をすると、男性は11.0%、女性は22.6%と男性に比べ女性のほうが終活を行っている方が多いことがわかりました。終活という言葉は知られるようになってきていますが、抵抗のある人がまだ多いのかもしれません。残された家族が滞りなく相続を進められるよう、早めに準備を進めておけるとよいですね。 ■引用・転載時のクレジット表記のお願い ※本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。 <例>「チューリッヒ生命が実施した調査結果によると……」