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サービス業の生産性を「カイゼン」するテクニック5選

更新日:2018年8月31日

<ミラサポ>


2 ~標準の設定編~

執筆者:狩野 詔子(中小企業診断士、かのさん中小企業診断士事務所)


基準を定めてばらつきを無くす


(1の続き)  本稿では、前稿で紹介したテクニック「作業の分析とムダ取り」に続き、生産性を「カイゼン」するテクニックを2つ、事例を交えてご紹介しよう。

テクニック2:標準化  標準化とは、業務を効率的に行うための考え方のひとつである。繰り返し行う業務について、標準(基準となる方法やルール)を設定し、設定した標準に合わせて業務を管理することを指す。標準化は、以下のとおり「物の標準化」「方法の標準化」の2つに分けることができる。

 「物の標準化」とは、サービス提供に用いる道具や材料などの種類にばらつきが出ないよう、種類を統一することを指す。例えば、整骨院であれば施術に用いるベッドや枕といった備品を統一することで、サービス品質のばらつきを小さくすることができる。

 「方法の標準化」とは、サービスの提供方法や、サービス品質の管理方法などを取り決め、「標準的なやり方」を決めることを指す。「モノ」を提供する製造業や小売業と異なり、サービス業では形のない「コト」を顧客に提供することから、担当者によってサービスの品質にばらつきが出るリスクを避けるために、「方法の標準化」が必要となる。

 標準化によって安定したサービス品質が担保されることで、顧客満足度が向上し、付加価値の向上を図ることができる。

テクニック3:標準作業を実行するためのトレーニング  前述の「方法の標準化」を行うことは、人材育成を行いやすくなることにもつながる。標準的なやり方を取り決めておけば、新たに採用した人材の教育もスムーズに行える。  東京都の介護サービスを営むある企業では、「介護業務の標準化を行わなければ、個別のケアを実践することはできない」という考えを掲げ、手順書を整備するとともに、各従業員の介護技術の達成度合いを人事評価制度にも反映している。

 また、近年では取り決めた標準的なサービスを誰でも実施できるよう、文字のマニュアルに加えて、動画や写真などを活用した従業員研修を行う企業も増えてきている。  例えば、株式会社キタムラが運営する写真館「スタジオマリオ」では、被写体である子ども客への声かけのトーンやポーズの取らせ方などの動画教材を用意し、各店舗の従業員が閲覧できるようにすることで、従業員育成に成功している。




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