top of page
  • 執筆者の写真Talking NEWS

サービス業の生産性を「カイゼン」するテクニック5選

更新日:2018年8月31日

<ミラサポ>


3 ~業務の平準化編~

執筆者:狩野 詔子(中小企業診断士、かのさん中小企業診断士事務所)


(2の続き)  本稿では、これまでに紹介したムダ取りや標準化に続く、生産性を「カイゼン」するテクニックを2つ、事例を交えて紹介する。  もしあなたの会社が「ピークタイムに合わせた人員を雇用していて、閑散期には人員が余る」「繁忙期に残業が多く、従業員の負荷が大きい」という状態ならば、「カイゼン」のチャンスだ。

テクニック4:業務量の平準化  業務量の平準化とは、繁忙期の業務量と閑散期の業務量のギャップがなるべく小さくなるよう、均一にすることだ。業務量の平準化により、繁忙期の業務量を減らし、閑散期には逆に業務量を増やすことで、人件費のムダを圧縮することが可能となる。  まずは1日、1週、1カ月、1年といった特定の期間において、業務が集中する時期を把握し、実施時期や時間をずらせる業務はないか、洗い出してみよう。

 具体的な手順は、まず繁忙期がいつなのかを書き出してみる。例えば飲食店の場合、「1日のピークタイムはランチとディナーの時間帯」「1週間のうち最も多忙なのは土曜日と日曜日」、「1年間で見ると、最も売上が高いのは12月」などといった具合だ。そして、これらの時間帯や曜日、時期に行っている業務のうち、「前倒し、または後ろ倒しにしても問題がない業務」「実施頻度を落としても問題がない業務」を探してリストアップし、業務量や業務負荷が期間を通して極力一定となるように、業務の実施時期を調整しよう。

テクニック5:スキルマップ作成と多能工化の推進  最後のテクニックとして紹介するのは、「多能工化」である。繁閑の差が大きいサービス業の場合、1人が複数の業務を担当できるように育成することで、労働生産性の向上を図ることができる。  従業員の多能工化を進めるためには「誰が、どのような業務を、どのレベルで遂行できるのか」を把握することが必要となる。そのうえで、各従業員に習得してほしいスキルを明示することが重要だ。

 宿泊業である「京の宿 綿善旅館」(京都府京都市)では、スキルマップを作成することで従業員の業務レベルの把握を実現した。フロント業務、客室業務、厨房業務など、ピークタイムに他部門からの応援が必要となる業務について、業務内容をリストアップし、各従業員のスキルを4段階で評価したのである。このスキルマップにより、従業員のスキルレベルが把握できるようになり、育成指導が行いやすくなった。また、従業員自らが「次はこの業務をレベル3まで習得しよう」などと捉えるようになり、スキルアップの動機づけにも繋げることができた。

 以上により、サービス業で活用可能な生産性を「カイゼン」するテクニックを計5つ紹介した。貴社の生産性向上に役立つ手法が1つでも見つかったなら、ぜひ明日から取り入れてみてほしい。




閲覧数:0回0件のコメント
bottom of page